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鋏、有人改札、硬券......姿を消した鉄道まわりのモノ

2009年11月27日 12:00更新

 風呂桶のような改札に納まり、なぜか制帽をアミダにかぶり、乗客が通らない時でも、カカカン、カカン、と、手に持った鋏をリズミカルに鳴らし続ける。時にはボールペン回しのように、指先でクルリと回す"芸"を挟んだり。ある程度の年齢なら、そんな駅員のいる改札の風景を思い出すことができるに違いない。

 ただし、この「ある程度の年齢」は、地域によっても差がある。首都圏なら、昭和が平成に切り替わるあたりから、急激に各駅の自動改札化が進んだ。一方、関西圏の特に私鉄は、それよりもずっと早く自動改札が普及している。

 ちなみに改札鋏を入れる切符は、自動券売機の導入前は、国鉄-JRでは、厚みがある「硬券」と呼ばれるものだった。切符売り場の内側では、その硬券が金属のケースに収まって並んでいて、駅員が手さばきよく抜き取って渡してくれたもの。私鉄の場合はもっと薄手のボール紙のような切符で、駄菓子屋のくじのようにミシン目でつながったものが下がっていたり。
 もちろん有人改札時代は、定期券も見せるだけ。期限が切れているのに本人も駅員も数日間気付かなかった、なんてこともある。

 いずれにせよ、基本的にはいつも同じように思う通勤通学の駅や電車の風景が、この20年から30年の間に、実はかなり様変わりしていることに改めて気付かされる。つい先日、首都圏でも関西圏でもJR在来線各駅は全面禁煙となったが、それ以前、「喫煙所」が設けられたのもそれほど古い話ではない。ホームの柱にずらりと小さな灰皿が取り付けられ、駅全体がタバコの煙でもうもう、などという時代もあったのだ。

 地方に行けばまだ現役だろうが、バネ式のストッパー付きの窓がある電車、前席の背中やボックス席横の壁に"栓抜き"が付いた長距離列車......。ほかにもいつの間にか消えていっているものはいくつもありそう。もちろん、こまごまとした変化は現在も進行中。近い将来、「ホームに安全フェンスと扉のない駅があったなんて!」という時代が来るかも?

text by:川畑英毅


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