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「学割」の起源は、修学旅行にあった!?
2010年02月09日 00:00更新
学生割引(学割)というと、最もポピュラーで、最も古くから行われているのが鉄道の割引乗車券だろう。一体、いつごろから始まったのかを調べていくと、ちょっと面白い事実にぶつかった。鉄道各社が割引乗車券を発行したのは、日本で修学旅行が行われたのがきっかけだというのである。
時は、19世紀末。欧米各国から不平等条約を押しつけられて苦難を味わっていた日本政府は、富国強兵を旗印に軍事力の増強を促し、国の経済を発展させる政策を打ち出していた。初代文部大臣の森有礼が、軍隊式の「兵式体操」を教育に取り入れたのはその一環で、1886(明治19)年には、東京の湯島聖堂内にあった高等師範学校男子部が千葉県銚子へ向かう行軍旅行を行った。これが日本で最初に行われた修学旅行である。
翌87年からは、各地の師範学校、中学校などで実行されるようになり、修学旅行は全国に広まっていった。当初は徒歩によることを通例としたが、開通から十数年たった国内鉄道網の普及とともに鉄道利用も進み、短い日程で遠隔の諸地域を訪ねることができるようになった。
そして、1899年には日本鉄道会社(日本初の私鉄)が、翌年には鉄道院(日本国有鉄道、JRの前身)が学生の集団運賃割引を開始。これが「学割」の起源である。
修学旅行は、第2次大戦中から終戦直後にかけて一時中絶していたが、50年代に復活。59年に国鉄(現・JR)が修学旅行列車「ひので号」、「きぼう号」などの運行を開始したころには、「学割」は確実に定着していたものと思われる。
修学旅行列車は少子化やバス、航空機などの交通機関の多様化の流れを受けて下火になったが、「学割」としての割引乗車券は今も健在だ。例えばJRでは、利用区間の片道の営業キロが101キロ以上ある場合、運賃が2割引になる。往復乗車券の場合は、片道の営業キロが601キロ以上あれば、行き帰りの運賃がそれぞれ1割引になる。また、定期券の割引も学生にはおなじみだろう。
1899年にはじまった「学割」は、110年の歴史を持っていることになる。この世に学生がいる限り、その歴史は今後もずっと続いていくことだろう。
text by:佐々木田中
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