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冷房効率アップのため機器からの熱を抑えたい冷房効率アップのため機器からの熱を抑えたい

 一般企業にもCO2削減目標が課されるこの時代、冷房の設定温度を好きなだけ下げるというわけにもいかなくなった。その一方で、パソコンやサーバなどのマシンがオフィス内に所狭しと並ぶようになり、そこへなんとか売上が上がらぬものかとカッカしている社員たちの熱気もさらに加わって、社内からの発熱量はますます増えるばかり。だからといって、パソコンをソロバンに置き換えるわけにもいかない。このままでは、夏の間の業務効率は、オフィスの室温と反比例して右肩下がりになる一方だ。そこで今回は、冷房だけに頼ることなく、オフィスで快適に過ごせるようにするための方策を紹介する。


【解決策1】照明器具からの熱放出を抑える

図1 電球タイプのLEDランプ 図1 電球タイプのLEDランプ 資料提供:株式会社アドテック  オフィスで最も消費電力が多いのは、実は照明だ。省エネルギーセンターの調査によれば、オフィスで消費されるエネルギーの40%が照明に使われているらしいので、まずここを見直すのが先決。古い照明器具を使っているなら、新しいものに変えておこう。最新の照明器具は、同じ明るさでも以前のものより消費電力が少なくて済むため、熱放出を抑えることができる。また、白熱球を使っている場所があれば、発熱の少ない蛍光灯に変えよう。今は、電球型の蛍光ランプが市販されているので、器具まで交換する必要はない。インテリアへのコダワリから光の色の暖かい白熱球を使っている場合でも、白熱球カラーの蛍光ランプも出揃ってきているので、妥協せずに蛍光ランプに移行できるだろう。最近では、LEDランプも実用的になってきている。蛍光ランプ同様、そのまま電球のかわりに使えるものもあり、従来の電球に比べて消費電力および発熱量は約1/9に、寿命は約40倍にもなるという。
 さらに、蛍光管を2本使っている場所では、これを1本にし、照明器具に反射板を取り付ければ、少ない電力で、従来と同じ程度の明るさを確保できる可能性がある。もちろん、オフィスに自然光を取り入れたり、使っていないスペースの照明はこまめに消したりするなどの地道な努力もお忘れなく。


【解決策2】パソコンやサーバからの熱放出を抑える

 すべての社員にパソコンが1台ずつ支給される企業が増えているが、各デスクの上でフル稼働しているパソコンから放出される熱は、オフィス全体で合計すると相当な熱量になる。熱を放出しているのはパソコンだけでなく、ディスプレイやプリンタからも熱は放出されている。打合せや外出などで席を外すときは必ず電源を切るようにフロア全体でルール化しよう。
 また、電話などでパソコンでの作業が中断する時も、こまめに節電できるように、しばらく使っていないと自動的にパソコンやディスプレイの電源が待機状態あるいはオフになるように設定しておこう。例えば、Windowsでは、パソコンが待機状態、あるいはディスプレイが電源オフになるまでの時間を設定できるので、会社のパソコンすべてを同じ設定にしておけば、ルールを徹底することもできる。ノート型パソコンを使っている時は、業務に差しさわりがなければ、省電力モードを使えば発熱を抑えることができる。さらに、パソコン本体にホコリがたまっていると発熱しやすくなるので、頻繁に掃除をすることも大切だ。かなりアナログな方法だが、本体の熱の上昇を抑えれば安定稼働にも役立つので、一石二鳥だ。
 このほか、パソコンやディスプレイの製品選びをする時は、消費電力も考慮しよう。不用意に高性能なパソコンや、必要以上に大きい画面サイズのディスプレイを選ぶと、それだけ無駄な電力を消費することになり、発熱量が増加してしまう。
パソコンを大量導入しなければならない時は、「ブレードPC」も検討の余地があるかもしれない。ブレードPCとは、複数のパソコン本体を、1つの装置にまとめて収納したもの。ブレードとはパソコンの基板(パソコンの処理機能をまとめたもの)のことで、例えば1台のブレードPCに10枚のブレードが収納されていれば、そのブレードPCは10台のパソコンとして働くことができる。この場合、ユーザの手元にはディスプレイとキーボード、マウスが提供されるだけ。発熱するパソコン本体を手元に置かなくてよいので、ブレードPC本体だけを効率よく冷却すればいいことになる。

図2 ブレードPCのイメージ 図2 ブレードPCのイメージ

 一方、オフィス内にサーバも設置しなければならない時は、できるだけ省電力のサーバを選んで設置するか、もしくはブレードサーバに移行しよう。ブレードサーバは、先ほど説明したブレードPCのサーバ版で、ブレード部分がパソコンからサーバになっており、複数台のサーバを効率よく収納できる。サーバ同士で部品や機能を共有することで、消費電力も大幅に抑えることができ、全体を効率的に冷却できる。さらに、「仮想化」技術を使えば、サーバの台数を減らすこともできる。仮想化とは、物理的には1台しか存在しないサーバを、ソフトウェアを使ってあたかも複数のサーバであるかのように稼働させる技術で、省電力に大きく貢献する技術としてこのところ注目を集めている。
 このほか、思い切ってサーバをオフィスから追い出し、「データセンタ」に預けてしまうという手段もある。データセンタとは、サーバの導入から運用まで、すべて面倒みてくれるサービスのこと。このサービスを利用すると、サービス事業者が運営管理している空調設備を完備したビルのサーバルーム内に設置したサーバを、ネットワークを通じて使うことになる。こうすれば、オフィスはサーバから出る熱からは解放される。


【解決策3】複合機からの熱放出を抑える

 照明、パソコン、サーバに続いて、オフィスで電気を食って熱を出しているものの1つに、複合機(コピー、プリンタ、FAXなどの機能を1台にまとめた事務機器のこと)がある。複合機は、印刷している間はもちろん、使っていない時でもすぐに使えるように待機状態になっている。そのため常に熱を出しており、室温に与える影響も無視できない。そこで、できるだけ待機時の消費電力の少ない製品を選ぼう。また、各部署の複合機の使用頻度を調べて、実は必要以上の台数の複合機をオフィスに設置していないか、見直してみよう。業務時間以外はできるだけ電源を切るようにしたり、定時を過ぎたら使える複合機の台数を制限したりするのも有効なアプローチだ。

コラム オフィスの冷房効率をあげるために見直したいこと

 自宅で電気代を節約しようとするのと同じで、オフィスの冷房効率をあげるためには、機器以外の部分での小さな工夫を積み重ねることも肝要だ。例えば、日当たりのよいオフィスでは窓ガラスに断熱フィルムを貼るのはいかがだろうか。また、東側に窓があるオフィスでは、社員が出社する前に朝日があたって室温が上昇しないように、夜退社するときに必ずブラインドを閉めておこう。また、エアコンだけに頼らず、扇風機やエアサーキュレータも併用して、オフィス内の空気をできるだけ循環させ、温度差をなくすように心がけよう。こまめに掃除をして、オフィス全体をきれいにしておくことも、空調の効率アップには役立つはずだ。


(掲載日:2009年10月20日)

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